民主党が考える「安保法案の問題点」とは? 16日の衆院本会議での岡田代表演説全文
第三に、周辺有事における米軍への後方支援は極めて重要であると民主党も考えています。そして、「近くは現実的に」対応するとの方針の下、「周辺事態」という現行法の枠組みは残したたうえで、活動内容をより充実させることを提案しています。
政府案は「周辺事態」の概念や「日米安保条約の効果的な運用に寄与する」という法目的を取り去り、自衛隊が世界規模で米軍とともに活動できることにしています。
しかし、そのことが本当に国民の命と平和な暮らしを守ることにつながるのでしょうか。限られた自衛隊の人員、装備、予算の中で、日本自身の危機、周辺有事に万全を期すべきと民主党は考えます。
活動地域をめぐる議論も重要な論点
第四に、後方支援とその活動地域をめぐる議論も重要な論点です。政府は、従来の「非戦闘地域」の概念は過去の経験に照らして問題があるため、「現に戦闘行為を行っている現場」でなければ後方支援ができるよう考え方を変えるとしています。限りなく戦闘の現場に近づくにもかかわらず、安倍総理は、自衛隊員のリスクは拡大しないと強弁し続けています。
そもそも、「非戦闘地域」の何が問題だったのか、政府から具体的な説明はありません。イラク特措法に基づく陸上自衛隊の人道復興支援活動や航空自衛隊の安全確保支援活動の実態がどうだったのか、どのような危険があったのか、何をどのように輸送したのかといった基本的な情報を公開することが議論の大前提です。しかし、情報公開のないまま委員会採決は強行されました。
与党議員の皆さんは、過去の活動の実態を知らされないまま、自衛隊員のリスクが増すかもしれない法改正に賛成するということで、本当によいのでしょうか。
最後に、日本がこれからどのような国を目指すのか、安倍自民党政権と民主党には大きな違いがあります。