民主党が考える「安保法案の問題点」とは? 16日の衆院本会議での岡田代表演説全文

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政府・与党は、衆議院で100時間以上審議したと言いますが、法案1本あたりわずか10時間に過ぎず、全く不十分です。この程度の議論で、我が国の安全保障政策を根本的に転換することなど到底許されません。

私が党首討論で述べたように、戦後70年間、平和で豊かな日本を実現するにあたり重要な役割を果たしたのは、憲法の平和主義と日米同盟の抑止力です。日本を取り巻く安全保障環境が近年大きく変わりつつあるとの認識も共有しています。

こういった基本認識に立ち、民主党は4月に「安全保障法制に関する民主党の考え方」を党議決定しました。憲法の平和主義を貫き、専守防衛に徹することを基本とし、「近くは現実的に、遠くは抑制的に、人道支援は積極的に」対応するとの方針の下、私たちが考える安全保障政策の全体像を示したものです。

民主党の「考え方」とは?

以下、この民主党の「考え方」すなわち対案を踏まえ、政府の安全保障関連法案の問題点を指摘します。

第一に、離島など我が国の領土が武装漁民に占拠されるといった、いわゆる「グレーゾーン事態」は最も可能性が高く、その対応は最優先課題です。にもかかわらず、政府は運用改善で取り繕うだけで、法律の手当てはありません。

民主党は「領域警備法案」を維新の党と共同提出しましたが、ほとんど審議されないまま、委員会採決が強行されました。これでは国民の命と平和な暮らしを守ることはできません。

第二に、そして最大の問題は、武力行使の新三要件とこれに基づく存立危機事態、すなわち集団的自衛権の限定行使です。

まず、新三要件は便宜的、意図的な憲法の解釈変更であり、立憲主義に反するものです。そもそも集団的自衛権を視野に置いていない砂川事件判決を根拠とすることは論外ですが、従来の昭和47年政府見解と照らしても、真逆の結論を導き出している新三要件は明らかに従来見解の「基本的な論理」を逸脱しており、もはや専守防衛とは言えないものです。

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