日本でしか働けないと、面白い仕事はできなくなる 田中良和・グリー社長

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12年4月入社の新卒は80~100人になる見通しだが、若い人たちほど、「このまま日本で働いていてもいいことはない」「グローバルに仕事ができなくてはいけない」という危機感が強い。

--今のグリーは、戦後のソニーのような存在を目指しているのでしょうか。モルモットとして、他社に先んじて世界に出るという点で。

戦後のソニーは参考になる部分もある。ただ、日本が高度成長している中でゲタを履いて世界に出るのと、日本が世界からの注目を失って足場が崩れていく中でグローバル化することは、似て非なるもの。

もしグリーのようなグローバルビジネスの経験に乏しい20~30代中心の会社が、10年間かけて海外でも大成功できれば、日本社会における意義はあると思う。ほかの日本企業の人は、「ゼロから作ってここまで来た会社があるのに、何でうちの会社はグローバル化できないのか」と刺激を受けるはず。

やはり世の中を動かすのは実例。「グローバル化をすべき」と言うのは簡単ですが、本当に人を動かせるのは、それを実現したことがある人。その実例を作ることがグリーの役割だと思っている。

たなか・よしかず
1977年生まれ。日本大学法学部卒業。ソニーコミュニケーションネットワーク、楽天を経て、2004年12月にグリーを設立、社長に。日本最年少のビリオネア。

(『週刊東洋経済』2011年8月27日号より 撮影:鈴木 紳平)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

 

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