「最高益の会社」の株価が上がらない当然の理由 相場に影響を与えるのは過去のデータではない

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「最高益」という実績は、過去のデータです。これからも業績が上がっていくかということとは無関係です。そして、最高益というニュースは、事前に株式投資家やアナリストたちにある程度予想されていたに違いないのです。

ちなみに「最高益」「2024年」でネットで検索してみました。具体的に出てきた銘柄は、ANAホールディングス(9202)、ホンダ(7267)、SCREENホールディングス(7735)が直近の「最高益」銘柄でした。そして、チャートで確認してみると、ほぼ「最高益」のニュースには無反応でした。それどころか下落に拍車がかかるケースもあったのです。

(出所:『5万円からはじめる! 1億円を作る株式投資』より)

※外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

事前に「最高益が出る」という予想はアナリストなどからも発信されているケースがほとんどで、その段階で株はすでに買われて株価は高値圏にあります。「最高益」のニュースとともに「次期はさらに業績は伸びる」というニュースでもついていなければ、この最高益がピークと見て、株の売り物が出がちになります。

これは特に「材料出尽くし」といわれています。「知ったらしまい」という投資格言もあるくらいです。「噂で買って事実で売れ」という投資格言もあるように、投資家の目は常に未来に向けられているのです。

「事故」「災害」は株価を下落させるか

会社の経営状況に影響を与える要素に、「外部要因」があります。わかりやすくいうと、天災や災害といった「事故」、あるいは経済危機といった要因です。いずれも会社側、経営陣に対処のしようがない災難ですが、こういった事態に投資家はどう対処すればいいのでしょうか。

たとえば、工場の火災などはその企業の業績に対しマイナスになります。

2023年12月31日、エンジンバルブ製造のNITTAN(6493)の工場で火災が発生しました。同社の主要製品の1つの舶用部品の生産も止まります。舶用部品の事業部は好調だったにもかかわらず、一転して2024年3月期では部門赤字となる結果を招きました。

では、株価への影響はどうだったのでしょうか。下に同社のチャートを掲載していますが、株価にはまったくといっていいほど影響が及んでいません。

(出所:『5万円からはじめる! 1億円を作る株式投資』より)
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