ともあれ、栗橋駅である。この駅を預かる駅長の椎名秀樹さんは、新古河駅、柳生駅というギリギリ埼玉県内の3駅を管理する。このあたりは北関東への助走区間、といったところなのだろうか。
「栗橋駅を出るといよいよ田園風景の趣が濃くなってきます。あとは、この区間のイメージは水辺、ですね。利根川を渡ると渡良瀬川の土手沿いに。すぐ脇に堤防が見えて、柳生駅は近くに渡良瀬遊水地もあります。なので、川魚を食べさせる店もあったりする。そういう特徴がある地域を走っています」(椎名駅長)
利根川をまたぐ通勤通学路線
水辺の町ということは、水害との戦いの町という一面もある。車窓からも見える利根川沿いの公園は、1947年のカスリーン台風で堤防が決壊した地点を後世に伝えるための役割を担う。また、柳生駅周辺は2019年の台風19号では避難エリアに含まれ、駅の職員も避難したという。
水辺の町という点を除くと基本的には椎名駅長が預かる3駅は、通学の学生が中心でそこに通勤客が加わるという、典型的な首都圏近郊路線の特徴を持つ。
栗橋駅の近くには埼玉県立栗橋北彩高校が、また柳生駅の近くには開智未来中学・高校がある。開智未来中高には栗橋駅からバスも出ていて、実質的な玄関口は栗橋駅といってもいい。つまり、朝の通学時間帯、栗橋駅はたくさんの学生でにぎわう駅なのだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら