4浪立命館「漆職人」彼の"後悔し続けた"浪人生活 一方で「無駄ではなかった」とも語る彼のいま

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立命館に入ったあとのK.Rさんは陶芸部に入ったり、地理が好きだったため地理学の授業を取ったり、3回生で入ったまちづくりのゼミを受けるなどして学びを深めます。その過程で彼は京都の古い街並みに興味を持ち、家賃6万円の物件から家賃2万2000円の古い長屋に引っ越しました。

一方で就活をせずに卒業し、卒業後に慌てて就活をした結果、幅広く木材を加工、販売する銘木屋で働き始めました。

大学入学後、町家関係の仕事に興味抱く

「大学のときはなんとなく町家関係の仕事に就きたいと思っていましたが、建築の知識がないのでそういうところに入るのは難しいと思い、卒業する直前まで何も動きませんでした。

それでも卒業式の次の日には仕事を探さないといけないなと思って、自分の足で探しに行ったら、銘木屋を紹介してもらいました。話を聞きに行って、なぜかもうその日から働き始めていました。そこでしばらく木工の仕事をやってから、家具屋に転職しました。

その傍ら京都で木を扱っている仲間たちとスプーン教室などのワークショップを開き、一緒に活動することが増えました。その仲間たちは京都という土地柄、家具でも漆を使っている人が多く、彼らと話す中で、漆というものの魅力に惹かれ、漆を家具や内装、インテリアにも取り入れていけたら面白いのではないかと思ったのが、漆の世界に入ろうとした大きなきっかけです」

こうして家具屋での4年間の勤務を経て、無給で毎日カレーを食べる生活をしながら、漆の工房で2年間修行した後、工藝の会社に就職し漆塗りの職人として活躍しているK.Rさん。

彼は4年間の浪人生活を送りましたが、48歳になった今、浪人の経験を決して肯定的には捉えていないようです。「4年間甘え続けていたツケを感じている」と語る彼は、浪人してよかったことについて「見いだせる部分がなかなか出てこない」と語ってくれました。

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