こうして3浪に突入したK.Rさん。この年も早稲田を目指して宅浪をします。
見かねた母親は高校の同級生でもある幼馴染を家庭教師として見つけてきました。さすがに危機感が欠けていたK.Rさんにとっても、これは屈辱を通り越して、笑ってしまったようです。
「この年から同級生に勉強を見てもらい始めたのです。家庭教師は1回2時間だったのですが、ギターがうまいやつだったのでギターを教えてもらう時間のほうを楽しんでいました。そんなに必死にはやってなかったので、成績もなかなか上がらず、模試の判定はE~Dでした」
それでも前年よりは勉強していたこともあり、早稲田大学も学部によっては合格するかもしれないという感触はつかんでいたそうです。
この年は早稲田の政経・商・教育と、学習院を5学部受験したK.Rさんですが、この中でも早稲田大学の教育学部国語国文学科は、過去問と国語の配点の高さ(※国語の得点が1.5倍換算)を見て、唯一チャンスがありそうだと感じていました。
「『マドンナ古文』で勉強した古文と、地理で点数を稼いで、英語を切り抜ければなんとかなるかなと思い、そこに懸けました。手応えもあったのですが、ギリギリ落ちてしまって……自己採点をしたら、ボーダーに0.5点届きませんでした。でも、その0.5点の間に何百人、何千人もいると思ったので、大して勉強していない自分が落ちたのもある意味当然かなと思いました」
しかし、この不合格にも悔しさは感じなかったそうです。
「もしかしたら、(来年は)いけるかもと思いました」
4浪目の勉強時間は減ってしまった
4浪も宅浪を決断したK.Rさんは、生活リズムを取り戻すために3浪の途中から始めたマクドナルドでのアルバイトを続けながら、勉強を続けます。
ただ、この年はまた1日の勉強時間が2浪目と同じくらいに減ってしまったそうです。
「基本的には早稲田を目指していましたが、最終的にはどこでもいいやという感じで、自分の適性的に行けそうなところを探しました。
試験の1カ月半前から、石井雅勇先生のセンター英語の参考書をひたすらやっただけです。この年の受験は、立命館のセンター利用で産業社会学部、A方式で経済学部に出してどちらも受かりました。早稲田も受けたはずなのですが、立命館に受かったのが嬉しかったからか、もうどこの学部を受けたのかも覚えていません」
こうして「真面目に勉強したのは4年目の最後の1カ月半だけです」と語るK.Rさんの4年の浪人生活は終わり、立命館大学の産業社会学部に進学が決まりました。
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