「強みを全然見てもらえない」悩む人に欠けた視点 差別化の前に「同質化を考える」べき深いワケ
同じことが、キャリアアップおける自分自身の差別化にも当てはまります。
例えばマネージャーに昇進したい、と考えるとき、まず考えるべきは、幹部が考える「次のマネージャー候補」というグループに入ることです。そして、そのためのエントリー資格となる「同質化要素」を見つける必要があるのです。
それは例えば、「社内の人脈の広さ」なのかもしれません。あるいは「トラブルを起こさず周りとコミュニケーションが取れること」なのかもしれません。目標の達成率に閾値がある場合も多いでしょう。
まずはそうした同質化要素を分析したうえでそれをしっかりと備え、「次のマネージャー候補」という土俵に上がることが大事なのです。他のライバル候補との「差別化」を考えるのは、その後です。
「最新の経営理論を熟知している」「コピーライティングが上手」などという「他の人との違い」をいくら身につけていたとしても、「次のマネージャー候補」という土俵に上がれていないのであれば、その違いは決して差別化要素になりません。
同じ土俵に上がれていないのであれば、そもそも比較されることがないので、たとえ土俵の上の他の人とは違う何かを持っていたとしても、それが強みになることはないのです。
差別化要素は、特別にユニークである必要はない
これは厳しい現実とも取れますが、見方によっては救いであるとも言えます。
なぜなら、同質化要素を備えてひとたび土俵に上がることができれば、その土俵の上で他のライバルたちとの間に生み出す必要のある違いは、必ずしも特別ユニークである必要はないからです。
例えば、最新のデジタルマーケティングの知識と、部下を管理したことがあるマネージメント能力が、デジタルマーケティングチームのマネージャー候補の「エントリー資格」だったとします。
そのような要素を備えた人がそれほど多くなく、土俵に上がっているライバルが数人であれば、「笑顔が素敵」「誰とも壁を作らない」などといったさりげない自分の良さが、そこでは大きな差別化要素になってくるかもしれません。
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