「椿山荘」の含み益が狙い?藤田観光の株価急騰 DOWAが保有する31%超の株の行き先に熱い視線

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

藤田観光は東洋経済の質問に「報道は認識しているが、当社からお答えできるものはない」と述べた。DOWAも「コメントは差し控える」と明確な回答を避けた。

ただ、DOWAとしても藤田観光の株式売却について検討をしているのは事実だ。2023年11月に開催した経営戦略説明会でも、質疑応答の場で関口明社長が「積年の課題の一つである」などと述べていた。両社の間に「シナジーはない」とも語っていたようだ。

そのやりとりは「質疑応答議事録」としてDOWAのホームページ上で公開され、マージャーマーケットの記事でも引用されていた。しかし6月21日に「最新版に差し替えた」(DOWA)ことで、やりとりは議事録から消えてしまった。消した理由については「答えられない」とする。

一方、3Dといえば、大手飲料メーカーのサッポロホールディングスの株式16%を保有し、経営改革を経営陣に対して要求したことが記憶に新しい。3Dの推薦した社外取締役2名が就任し、保有不動産の売却も検討する方向へとサッポロに舵を切らせた。

椿山荘はビジネスホテルより低い利益率

藤田観光に対しても保有不動産の売却や経営改革を迫る可能性がある。「収益性の低い椿山荘の運営利益向上や一部資産売却を要求することも考えられる」。立教大学でホテルアセットマネジメントなどを教える沢柳知彦特任教授は、そう指摘する。

椿山荘の売却を迫るにあたって予想される攻め口は収益性の向上だ。

椿山荘は藤田観光にとって象徴的な存在のホテルだが、利益率に課題を抱える。椿山荘などを含むラグジュアリー&バンケット事業は、2023年度の売上高が178億円、営業利益が12億円で営業利益率は7%程度。一方で、同社の稼ぎ頭であるビジネスホテル事業の営業利益率は15%に上る。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事