メールには、デバイス内の高度なAI処理により「重要」「取引」「アップデート」などカテゴリーを判断し、自動で分類する機能が付いた。
Safariは、ハイライト機能により、ウェブサイトの中の重要な情報……たとえば記事の要約や、レストランの場所や連絡先をユーザーに示す機能が付いた。
写真アプリは、よりシンプルなUIになり、いちいちアルバムを整理しなくても、自動で分類されたテーマごとに閲覧できるようになる。同じく自動的に生成される新しいスライド式の表示には、ユーザーのお気に入りの人やペット、場所などを取り上げるハイライトが表示される。
秋に基本機能、来年AIの二段構え
そして、なんといってもアップルのAI、Apple Intelligenceだ。
秋に利用可能になるのはアメリカ(英語)のみで、iPhone 15 Pro以降のモデル(iPhone 15は含まれない)となる。それ以外の地域と言語は2025年以降とハッキリ決まっていないが、iPhoneが飛躍的に便利になることは間違いない。
Apple Intelligenceの詳しい機能解説は別記事があるので、ここでは簡単に触れる程度にとどめるが、アップルが目指したのはAIの中でも個人に特化した“パーソナルなインテリジェンス”にある。
一般的に、ChatGPTやGeminiなどの大規模言語モデルは大量の学習データを取り込み、広範囲な“知”を提供することを目的としている。
それに対してApple Intelligenceは、オンデバイスでパーソナルなアシスタントになることを指向している。iPhoneの強固なセキュリティーはそのままに、iPhoneはカレンダー、連絡先、メール、メッセージなどさまざまなデータからセマンティック(意味論的)インデックスを作りあげ、我々ユーザーのことを理解して動作するようになる。
例えば「Hey Siri ! 今から弟の家に行こうと思うんだけど何時に着く?」と聞けば、新しいApple Intelligenceに対応したSiriは、“今”が現在時刻を示していることも、“弟”が誰であるかも、現在位置がどこであるかも理解し、回答してくれる。
その際に障害になりそうな電車の遅延情報がウェブ上にあれば、そのことも忠告してくれるし、重複しているスケジュールが自分のカレンダーにあれば、それについてもアドバイスをくれる。強力なパーソナルアシスタントに進化するのだ。
Apple Intelligenceの機能だけでは足りない、ウェブの広範囲な知識(主に専門的なものなど)が必要であれば、ChatGPTと連携させることもできる。
iOS 18のアップデートは、秋に基本機能や外観のカスタマイズ、ユーザビリティーの向上という土台固めが行われ、その後2025年になってApple Intelligenceが組み合わさるという二段構えだ。われわれがそれらをすべて使えるようになるのには、しばらく先だが、WWDCで機能の詳細について世界のデベロッパーに開示されたのは、それぞれの機能に対応したアプリの開発を促進するためだ。来年以降、iPhoneの使い方が今とはガラリと変わっているかもしれないと思うと、非常に楽しみだ。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら