「元リクルートの母」がNPOで目指すもの

夢を叶える行動力はリクルートで教わった

幼児教育に関するイベントでの司会や、セミナーの講師なども行っている。昨年実施したクラウドファンディングで得た資金を、取材経費や事業経費にあてている

当時18歳の征矢さんは恩師の「これからはNPOの時代だ」という一言に動かされ、大学は慶応義塾大学総合政策学部に進学。非営利組織論やベンチャー論や、フィールドワークを通してNPOについて学び、教育については独学を続けた。

なかでも、征矢さんが関心を持っていたのは、従来ある一般的な学校とは異なる教育方法を採用し、学習の場を提供するオルタナティブ教育だ。その代表的な教育法には、シュタイナー教育やモンテッソーリ教育、デモクラティック・スクールなどが挙げられる。

「卒論テーマであるオルタナティブ教育実践校を研究しているときがいちばん楽しかったですね。当時、この分野の研究はあまりなされておらず、ほぼ独学でフィールドワークしながら情報収集しました。そしてこれをそのまま仕事にできたらなと思っていました」

とはいえ、当時はNPOで働くことが一般的とは言えず、起業するという考えもなかった。征矢さんはリクルートに就職して自分を鍛えることにした。

リクルートで叩き込まれたフロンティアスピリット

「なぜリクルートだったのかというと、自分で考えて何かをするという力がつきそうなところだと思ったんです」

営業の仕事に就き、最初の1、2年目はひたすら新規開拓の飛び込み営業と電話がけの日々を送った。

「1日に100件の電話、30件の飛び込み、3件のアポというのが普通でしたが、実は、その時がいちばん楽しかった」

新卒採用の大きなプロジェクトを担当したときは、深夜まで働く日々が何カ月も続いた。心身ともに燃え尽きそうになったころに、リーマンショックの影響で他部署へ異動となった。

「それまではずっとダメ営業でしたが、その部署で初めて売れる営業になりました。新規開拓って行動力がすべて。質より量を実践することで質が高まる。それを教えてくれたのがリクルートです」

入社したときに、6年半は勤めようと決意していたという。当時、リクルートには勤続6年半で退職すると、その先1年分の資金がもらえる制度があったという。途中、あまりの辛さにくじけそうになったこともあるが、ここで辞めたら何のために入ったかわからないと、自分を奮い立たせた。

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