ホンダ「CB650R/CBR650R」止まらない進化の理由 世界初搭載のHonda E-Clutch誕生の開発秘話

✎ 1〜 ✎ 113 ✎ 114 ✎ 115 ✎ 116
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
CBR650Rのスタイリング
CBR650Rのスタイリング(写真:本田技研工業)

開発者インタビューに続いて、Honda E-Clutchを搭載したCB650R/CBR650Rにクローズドコースで試乗した。筆者はDCT搭載モデルである「VFR1200F DCT」に2010年8月~2015年8月まで乗り、直後にVFR1200F DCTをベースにしたクロスオーバーモデルで同じくDCTモデルの「VFR1200X」に乗り換え今にいたる。

仕事柄、国内外の二輪車、四輪車、商用車に試乗しているため愛車の走行距離は所有年数からすれば少ないが、それでもDCTモデル2台合わせた距離は地球1周ぶんを優に超えた。DCTはクラッチレバーがなくシフトペダルも存在しない。いわゆるAT感覚で乗れるが、筆者は左足のシフトでDCTギア段の制御ができる純正アクセサリーの「チェンジペダル」を装着している。

DCTとE-Clutchの違い

CB650Rのスタイリング
CB650Rのスタイリング(写真:本田技研工業)

DCTは、偶数ギア段用と奇数ギア段用のクラッチセット2つを使いわけて瞬時に変速を行い、エンジンの力を駆動力に変換する。そのため変速時の駆動トルク抜けが非常に少なく、MTモデル以上に素早いギア段のアップ&ダウンシフトが行える。ただし、仕組みが複雑でトランスミッション単体としても大きく重く、二輪車向けのトランスミッションとして採用するために、膨大な開発工数がかけられた。

一方のHonda E-Clutchは、DCTのイージーライディングの世界観をクラッチ操作レスという次元で実現した。実際、エンジンスタート時からクラッチ操作は不要で、レバー操作せずにシフトペダルを踏み込み1速へ入れてしまえば、あとはスロットル操作のみで発進する。

極めつけは緻密なクラッチ制御だ。ライダー歴36年になる筆者だが、思わず唸ってしまうほど極めてスムースに、まるでベテランライダーが行うようなクラッチ操作を見せつけたからだ。

次ページ驚くほど自然なクラッチ操作に驚愕、イージーライドが可能に
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
作家・角田光代と考える、激動の時代に「物語」が果たす役割
作家・角田光代と考える、激動の時代に「物語」が果たす役割
作家・角田光代と考える、『源氏物語』が現代人に語りかけるもの
作家・角田光代と考える、『源氏物語』が現代人に語りかけるもの
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT