未曾有と想定外 東日本大震災に学ぶ 畑村洋太郎著
東京電力福島第一原子力発電所における事故調査・検証委員会の委員長に就任した著者は、「危険学プロジェクト」を立ち上げている。危険のメカニズムの解明から始まり、危険と人間とのかかわりを考慮しながら、正しい対処の仕方までを科学的に探ろうとする試みである。
この考え方を今回の大地震とそれに伴う津波、原発事故に当てはめて検証したのが本書である。著者は、一連の出来事を「未曾有」「想定外」と表現することは、あいまいさの中に物事の本質を隠してしまうと指摘する。
なぜ関係者は原発が絶対安全だと言い続けたのか、なぜ人は堤防の外に家を建てたのかなどから、人間の弱さを含めた対策の必要性を訴える。
講談社現代新書 756円
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