「進路決まらず申し訳ない」と話す子が増える深刻 やりたいことを早く見つける必要はあるのか?

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「早くから将来の目標を決めている同級生」の姿を見て、周りの生徒たちにも「早く決めないといけない」という焦りが生まれているようです。

その焦りに拍車をかけているのが、生徒の親御さんである場合もあります。生徒と親御さんとの三者面談で、親御さんから「この子、全然将来のこと決まっていないんですよ。ごめんなさいね、先生」と言われることもしばしばあります。

先ほどお話しした通り、「やりたいことが見つからない」というのは、昔からよくある話だと思います。高校生の時点で、大学進学や就職に向けたプランを綿密に考えていた人なんて、今社会で働く人たちの中に果たしてどれだけいるのでしょうか。

それなのに、こんなに「やりたいことが見つからないことへの申し訳なさ」を口にする子が多い。それはいったい、どうしてなのでしょうか?

過去・現在・未来を物語として語る必要性

現在の入試の状況から考えてみましょう。推薦入試の1つである総合型選抜では、ほとんどの大学で「志願理由書」と「面接」が課されます。そこでは「自分はこんなことを頑張ってきた」「今はこんなことをしたいと考えている」「大学入学後・卒業後はこんなことをしたい」という過去・現在・未来を、まるで一続きの物語として語ることが求められているのです。

これは就職面接と同じ構図ですね。そして、そうした要求は、総合型選抜を受けない生徒にも広く及んでいます。今の高校では「早期からの大学・学部選びが大事」「オープンキャンパスに積極的に行こう」「大学のアドミッションポリシーをよく見て、自分のやりたいこととマッチしているか検討しよう」といった進路指導が盛んに行われています。そこでは多種多様な情報を集めて比較して、志望校を決めることが理想的とされており、「何となく」でいることは許されていないかのようです。

このような「早い段階から自分を確立して、将来の進路に向かっていく」という学校の指導に対し、高校生の受け止め方は3パターンに分かれているように感じます。

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