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フランス「極右首相」は生まれるか、何が起きるか 危機感に賭けたマクロン大統領の勝算とリスク

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  • 田中 理 第一生命経済研究所 首席エコノミスト
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さらにフランスでは、今回の欧州議会選はマクロン施政に対する信任投票という色彩も帯びていた。

マクロン大統領は就任以来、国際社会やEU運営で強いリーダーシップを発揮する一方、国内では時に強硬手段を使って改革を断行し、「傲慢で国民の声に耳を傾けない」との批判に晒されてきた。

マクロン陣営は今回の欧州議会選挙を「欧州の未来を占う選挙」と位置づけたが、野党勢は「マクロン大統領への審判の場」と位置づけ、争点化することに成功した。

「追い込まれるより今」と総選挙に踏み切った

2022年の大統領選挙で再選を果たしたマクロン大統領は、直後に行われた国民議会選挙で大統領支持会派が過半数を失って以来、厳しい議会運営を強いられてきた。

野党勢の協力が得られない法案審議では、議会採決を迂回する憲法上の特例を用いて、法案を通す事態が頻発している。この特例は内閣不信任決議を兼ねている。これまでは野党勢が一枚岩でなかったことで不信任を免れてきたが、穏健野党も政権への不信感を強めており、秋の議会審議では内閣不信任のリスクが高まっていた。

マクロン大統領としては、内閣不信任に追い込まれての解散・総選挙よりも、国民の間で極右台頭への危機感が高まっているタイミングで、自らのイニシアティブで総選挙を行うほうが得策との判断が働いたのだろう。

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