「盛り」と「無加工」に二極化するSNSの最新見せ方 映え疲れ?「ハイアングル撮影」が流行るワケ

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また、「上から階段フォト」や「天井カメラ」という、高い位置からのアングルから撮影した動画もTikTokやInstagramのリールなどで流行しています。「上から階段フォト」は、音源に載せて一般人がジャケット写真のような写真を撮る動画です。

その多くは上からの画角で階段に並んでいるサングラス姿の人たちを撮影し、その写真をモノクロにして動画投稿するのです。これは海外のアーティストのようなジャケット写真を撮って、イケイケ感を演出することを楽しんでいるようです。「天井カメラ」はただ単に頭上にカメラを設置して、仲間たちと楽しくにぎやかにワチャワチャしている様子を撮るものです。

そのコミュニティ特有のノリや大人数での仲の良さをアピールして、「自分もこんな友人が欲しい」「憧れられたい」と人に思われたいことから、流行しているようです。

見せ方は「無加工派」と「加工派」に二極化

その一方で、中国のSNSでは“盛り盛り”の加工ブームが到来しています。これまでご説明したように、日本のSNSでは無加工・ハイアングルの流行傾向がありますが、まだまだ「映えさせたい」と加工肯定派も根強いのが現状です。肌感覚では、Z世代の無加工派と加工派は半々といったところでしょうか。

東京・六本木の「RALME HOUSE」という撮影スタジオでは、中国のSNSであるREDのワンホン(インフルエンサー)がヘアメイクをしてくれるといいます。そもそも、流行に敏感なZ世代女子の間では、REDから情報を得ている子も多く、日本でもワンホンの影響力が大きくなってきています。

強めの色味を使って目鼻立ちをハッキリさせるワンホンメイクも流行しつつあり、アニメ風の目や鼻などのイラストを自分の写真に馴染ませて、二次元風の顔に加工できるアプリ「Meitu」や「hypic」などのワンホンイラスト加工もこれから流行していくと思われます。

このように、SNSでの中華トレンドを取り入れてまだまだ映えさせたい子と、映え疲れをしている子で、Z世代の中でもSNSでの見せ方は二極化しているようです。これからのSNSの傾向がどのような流れになっていくのか、これからも注目していきたいと思います。

(構成:高田晶子)

原田 曜平 マーケティングアナリスト

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はらだ ようへい / Yohei Harada

1977年生まれ。慶応義塾大学商学部卒業後、博報堂に入社。ストラテジックプランニング局、博報堂生活総合研究所、研究開発局を経て、博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー。2018年よりマーケティングアナリストとして活動。2003年、JAAA広告賞・新人部門賞を受賞。著書に『平成トレンド史』『それ、なんで流行ってるの?』『新・オタク経済』『寡欲都市tokyo』などがある。YouTubeはこちら

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