成長と脱デフレがないと超円高は何度も繰り返す--長谷川閑史・経済同友会代表幹事

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これだけ先進国がもたついている中で新興国が急成長している現実を見れば、それらの国々に合った製品の研究開発やマーケティングを行うことにより、現地の消費者ニーズにかなう製品を上市していかなければならないとわかる。

またそれらの国の成長基盤になっている高速鉄道や道路、原子力発電所、上下水道といった社会インフラでも、日本の官民が協力して、先端技術や安全運用のノウハウを輸出すべきだろう。

--今回の危機前から、日本企業は従来からの“五重苦”(円高・法人税・貿易障壁・雇用規制・温暖化ガス規制)に、電力不足を加えた“六重苦”に直面していました。

EPAや自由貿易協定(FTA)の議論も進まないうえ、法人税の実効税率は、韓国の24%やシンガポールの17%などに比べて、日本は40%です。同じ売り上げや利益を上げても、キャッシュフローでものすごく大きな差が出てくるし、企業のモチベーションは下がる。

そこへ電力供給の不足も重なった。最近では、政治指導力の欠如が最大危機の一つとして加わったため、六重苦が今や“七重苦”になっている。

産業界はいろいろな場を通じて提言しているが、政治にはリーダーシップがない。20~30年後にどういう国にしたいかという、トータルの青写真がないからだ。成長戦略や社会保障、安全保障は、ビジョンを実現するための手段でしかない。

その場しのぎで場当たり、目先の政策しか、打ち出せていない。そもそも民主党には、綱領がないから目指す国家像がない。自由民主党はそれより少しはマシかもしれないが…。

国は「もう企業は日本から逃げていかないのでは」と高をくくっているのだろう。だが、企業によっては、雇用空洞化のおそれがあっても、本社を海外に移しているところもある。政府に対しては、もはや「助けてほしい」でなく、「足だけは引っ張らないでほしい」と言いたい。後は自分たちでやるから、と。

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