成長と脱デフレがないと超円高は何度も繰り返す--長谷川閑史・経済同友会代表幹事

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為替は円高に振れようと円安に振れようと、つねに両刃の剣だ。円高は輸出企業にとっては収益を減少させる要因になり、逆に輸入企業にとってはプラスに働く。

国としては総合的に俯瞰しなければならないが、短期的に大きく相場が変動すると対応が難しくなる。やはり避けてほしいというのが企業の本音だろう。

もう一つは、日本の産業構造で、第3次産業がGDPの7割程度を占めているにもかかわらず、貿易収支となると、相変わらず第2次産業に頼っているのが現状。第3次産業が本当に国際競争力を整え、成長市場に出ていってパイを勝ち取るには、グローバル化が不可欠だ。

また第2次産業でも、国内で多数の企業が同じ業種にひしめき合い、消耗戦を繰り返して体力を疲弊させている。これを変えないと、問題の解決などありえない。

今や企業は“七重苦” 新興国からパイを奪え

--2008年秋のリーマンショックでは、景気対策がある程度効果を見せました。しかし、今回は各国の財政自体が毀損しています。

日本の場合、ファンダメンタルな問題への対応になる。まず大きくいえば、人口の減少問題にどう歯止めをかけるか。次にどこまで規制改革して魅力的な市場にするか。3番目はどれだけイノベーションを促進させ、生産性の向上につなげるか。もちろん、経済連携協定(EPA)による、門戸開放も重要だ。

ただ、いずれの施策も実行に移されてから効果が表れるには、時間がかかる。特にアジア諸国は多少濃淡があるにせよ、日本よりはるかに高い成長率を示しているし、世界第2位の経済規模になった中国も、高い成長を続けている。そうした市場に進出して、成長のパイを獲得することが当然必要になる。

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