成長と脱デフレがないと超円高は何度も繰り返す--長谷川閑史・経済同友会代表幹事

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

再生エネ普及には要時間 「縮原発」で依存度下げよ

--財政再建の見通しについては、大震災を受け、そのハードルがますます高くなりました。財源についてもさまざまな案が出ています。

復興予算は10兆円程度の話。たかだかと言っては語弊があるが、大きな構図として見れば、国が抱えている借金は、もはや900兆~1000兆円という規模になっている。

財源としては、現状では法人税など直接税の比率が高い。直間比率で見て間接税の比率を上げる方向に持っていくのが先進国の流れだ。安定的に税収を得るには消費税ということになる。やはり消費税率を上げて、税と社会保障の一体改革をする必要がある。復興財源としても、2~3年間の限定で消費税を上げるならば、問題はない。

重要なのは、国会議員の定数や公務員人件費を削減するなど、自分たちがまず血を流し、そのうえで国民に「我慢してください」と言うべきことだ。特に国会議員は自らを律する法律を作れる特別な権限があるのだから、倫理観や使命感を持ってやってほしい。

政党助成金にしても本来は企業・団体献金を廃止する代わりに導入したのに、もう全く一顧だにせず、目的が雲散霧消した。これではモラルハザードを招く。

--経済同友会はエネルギー問題で、「縮原発」を打ち出しました。原発推進を堅持する日本経団連とは、対応に差があります。

東京電力福島第一原発の事故が起きた以上、これで推進はありえないし非現実的。老朽化した原発は廃炉にしていくことになろう。その一方で化石燃料は枯渇していく。再生エネルギーが本格的に普及するには100年かかるかもしれない。原発はつなぎの技術として必要だ。

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事