半端ない復旧への熱「火の国」熊本ご当地鉄道事情 新幹線に観光列車、海へ山へ路線は意外に充実

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熊本まで線路がつながったのは1891年。漱石がやってきた1896年には、八代駅まで延伸している。つまり、現在の熊本県内の鹿児島本線がおおよそ完成した時期、というわけだ。

上熊本駅 夏目漱石像
夏目漱石の像が建つ上熊本駅前。かつては特急の停車駅でもあった(撮影:鼠入昌史)

このあたりで、いまの熊本県に戻ろう。鉄道の大動脈は、鹿児島本線……ではなく、むしろ九州新幹線というほうが正しいだろう。

鹿児島本線
熊本県内の鹿児島本線には特急は走らない。熊本駅を中心にした通勤通学輸送を担う(撮影:鼠入昌史)

熊本県内には、新玉名・熊本・新八代・新水俣の4駅が置かれている。中心はもちろん県都にして人口約74万人を抱える政令市・熊本市の玄関口。最速達の「みずほ」なら、博多―熊本間をたったの30分ちょっとで結んでいる。

熊本駅から延びる路線

そして、それ以外の熊本県内の鉄道も、熊本駅を中心に広がっているといっていい。

熊本駅には九州新幹線と鹿児島本線、そして豊肥本線。加えて、三角線に直通する列車も熊本駅まで乗り入れている。豊肥本線は、その名の通り豊後と肥後、大分県と熊本県を結ぶ九州横断路線だ。

途中、肥後大津駅までは電化されていて、熊本都市圏の通勤通学輸送を担う側面もある。ただ、豊肥本線のハイライトは非電化区間。阿蘇の外輪山をぐるりと回り、カルデラの中を駆け抜ける圧巻の車窓美。もちろん阿蘇観光のアクセス路線としての役割を持っている。

豊肥本線の電化区間
豊肥本線の電化区間。熊本空港へのアクセスを担う路線でもある(撮影:鼠入昌史)
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