半端ない復旧への熱「火の国」熊本ご当地鉄道事情 新幹線に観光列車、海へ山へ路線は意外に充実

✎ 1〜 ✎ 59 ✎ 60 ✎ 61 ✎ 62
拡大
縮小

熊本まで線路がつながったのは1891年。漱石がやってきた1896年には、八代駅まで延伸している。つまり、現在の熊本県内の鹿児島本線がおおよそ完成した時期、というわけだ。

上熊本駅 夏目漱石像
夏目漱石の像が建つ上熊本駅前。かつては特急の停車駅でもあった(撮影:鼠入昌史)

このあたりで、いまの熊本県に戻ろう。鉄道の大動脈は、鹿児島本線……ではなく、むしろ九州新幹線というほうが正しいだろう。

鹿児島本線
熊本県内の鹿児島本線には特急は走らない。熊本駅を中心にした通勤通学輸送を担う(撮影:鼠入昌史)

熊本県内には、新玉名・熊本・新八代・新水俣の4駅が置かれている。中心はもちろん県都にして人口約74万人を抱える政令市・熊本市の玄関口。最速達の「みずほ」なら、博多―熊本間をたったの30分ちょっとで結んでいる。

熊本駅から延びる路線

そして、それ以外の熊本県内の鉄道も、熊本駅を中心に広がっているといっていい。

熊本駅には九州新幹線と鹿児島本線、そして豊肥本線。加えて、三角線に直通する列車も熊本駅まで乗り入れている。豊肥本線は、その名の通り豊後と肥後、大分県と熊本県を結ぶ九州横断路線だ。

途中、肥後大津駅までは電化されていて、熊本都市圏の通勤通学輸送を担う側面もある。ただ、豊肥本線のハイライトは非電化区間。阿蘇の外輪山をぐるりと回り、カルデラの中を駆け抜ける圧巻の車窓美。もちろん阿蘇観光のアクセス路線としての役割を持っている。

豊肥本線の電化区間
豊肥本線の電化区間。熊本空港へのアクセスを担う路線でもある(撮影:鼠入昌史)
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
作家・角田光代と考える、激動の時代に「物語」が果たす役割
作家・角田光代と考える、激動の時代に「物語」が果たす役割
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
作家・角田光代と考える、『源氏物語』が現代人に語りかけるもの
作家・角田光代と考える、『源氏物語』が現代人に語りかけるもの
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT