楠雄治・楽天証券社長--楽天の総合力が強み、投資分野の大衆化を促していく

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楠雄治・楽天証券社長--楽天の総合力が強み、投資分野の大衆化を促していく

安価な手数料を武器に、個人の株式売買の7割以上のシェアを獲得したインターネット専業証券。しかし、2007年度以降は株式の売買代金が伸び悩み、収益環境は厳しい状況が続く。停滞する市場環境をどう打破するか。ネット証券大手4社のトップに聞いた。

--ネット証券を取り巻く環境をどう見ているか。

業界としては成熟しており、収益の伸びが頭打ちになっている。次の成長分野がまだ描き切れていないのが業界全体の課題だ。

弊社も2006年度には過去最大の営業収益約340億円を計上したが、10年度の営業収益はその3分の2にまで縮小した。05年前後は新興市場を含め、かなり活発な株取引があった。

しかし、その後はマーケットの長期トレンドを背景に、売買代金が減少。さらに手数料の単価が下がったことで、収益が頭打ちになっている。FXや投資信託の手数料は伸びているが、株式の手数料の落ち込みを支えるには至っていない。
 
--今後、他社との差別化をどう図るか。

これから重要になるのは、潜在的な顧客基盤をどれだけ持っているかだ。われわれは楽天という母体があり、新規口座の獲得という面で他社より優位性がある。

楽天はインターネットの総合生活支援グループであり、これまで投資経験のない人に取引を促すという面で、われわれはいちばん有利な位置にいる。まだまだ投資分野への一般人の参加は限定的だ。大衆化する余地は十分にある。

また楽天との連携でいうと、楽天スーパーポイントを利用できるなどの利点がある。グループのノウハウが活かせるのも強みだ。

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