株投資で儲けたプロ3人が注目する決算書の"ツボ" DAIBOUCHOU、名古屋の長期投資家、足立武志

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ただ、決算書の数字は過去の実績であり、業績予想も将来を約束するものではない。「過去は好調だから将来も持続するだろう」という確率論の話なので、この情報だけに100%頼るわけではない。

株価チャートが大切で、株価の上昇基調を確認したうえで、購入の決断を下す。業績は好調でも、株価がピークアウトを迎えているなら手は出さない。成長株は「高成長」というげたを履いている分、株価の上昇ピッチも速いが、成長鈍化とみられれば、下落も急激だ。投資家の動向がチャートに反映されるからこそ、チャートは必ず確認するのが鉄則である。

PER(株価収益率)の変化にも注目している。例えば、ある成長株のPERが70倍から20倍に低下すると、「割安になった」と買いに動く投資家は多いだろう。私はそう考えない。20倍になった時点で成長株から普通の銘柄になり、今後の株価の上昇スピードも衰えるとみるので、食指は動かない。

順調に伸びていた業績が横ばいになった、鈍化した場合は、坂道を転げ落ちるようなチャートを描きやすく、手は出さない。保有銘柄の株価が25日移動平均線を下回ったら売るようにしている。

PBR1倍割れが基準の1つ

割安かどうかを見るうえで、PBR(株価純資産倍率)1倍割れというのが基準の1つとなる。だが、東京証券取引所がPBR1倍割れ企業に改善策を求めているのに、なかなか改善されないという場合は、何らかの問題があるという見方もできる。

そのためこの基準にプラスして、業績が毎年黒字であり、かつ配当も出しているかどうかを確認している。PBRが0.5倍の銘柄が見つかったとしよう。毎年利益を出しており、10年後には純資産が倍くらいになりそうなら、株価も同様に倍になるはず、という予測が立てられる。このように自分でルールを決めてしまうと、投資スタンスのブレなく銘柄を探せる。

足立武志(あだち・たけし)/足立公認会計士事務所代表。個人投資家への情報提供にも積極的。株式投資の著書多数。

(構成:編集者・ライター 大正谷成晴)

大正谷 成晴 編集者・ライター

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おしょうだに・しげはる

1973年生まれ。フリーランスの編集・ライター。ビジネス全般、株式投資、FX、投資信託、クレジットカード、介護など、幅広いジャンルで取材・執筆を行っている。著書に『1万円からはじめるFX超入門』。

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