株投資で儲けたプロ3人が注目する決算書の"ツボ" DAIBOUCHOU、名古屋の長期投資家、足立武志

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ほかにも自己資本比率は優良企業かどうかを確かめる目安になる。マイナーな会社の場合、この指標が高いなら投資先として安心だ。バランスシートでは流動比率をまず計算して、100%を割っていると財務がよくないと判断し、購入をいったん保留する。

国際的に重要性が高まっている無形資産やのれんも確かめる。利益剰余金がマイナスだと投資対象から外すことが多い。

日本パーカライジングの『会社四季報2024年 春号』誌面の一部(画像:会社四季報オンライン)

最近であれば、海外工事の受注が増えており、業績も好調な東亜建設工業、産業向け防錆剤(ぼうせいざい)の販売・加工を手がけ、自動車向けでは日本車のシェアが高い日本パーカライジングなどに注目している。

日本会計基準かIFRS(国際会計基準)かも気になる点だ。後者は特別利益など一過性利益についてすぐにわかりにくく、損益計算書も日本会計基準に比べると省略されている部分が多い。のれんなども非償却なので、正直なところ決算の詳細が把握しづらい。

配当重視で買う銘柄は、配当可能限度額がわかる単独決算をしっかり見ている。これが少なくなると連続増配がストップし、株価にも影響するなど、今後の動向を探りやすい。私は連結決算と単独の両方に目を通すようにしている。

決算説明会資料も見るが、マイナーでバリュー株と呼ばれる会社は出さないことも多い。情報が足りず、転職・新卒採用サイトでも情報を集めている。

名古屋の長期投資家(なごちょう)/1995年から「超分散長期投資」を始める。2年前に資産1億円を達成。

足立武志 儲けの3カ条

1 最初は売上高と利益に集中

2 チャートの動きも考慮する

3 自分なりの投資ルール

私は兼業投資家なので、銘柄選びに割く時間は限られている。

だからこそシンプルな基準を設けており、成長株であればカギは売上高と利益の伸びだ。毎年のように伸びているのなら、今後も有望とみて、投資対象として検討する。銘柄によっては、設備投資や減価償却などで一時的に利益を落とす銘柄もあるが、最初はそこまで掘り下げず、売上高と利益の数字にフォーカスする。

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