軽自動車の「勢力変化」10年データで浮き彫りに じわじわ進んだダウンサイジングの変遷の中身
軽スーパーハイトワゴンがファミリーカー/ファーストカーとして人気を集めだしたのは、2007年発売の2代目タントあたりから。2008年にスペーシアの前身であるスズキ「パレット」、そして2011年に初代N-BOXが発売され、爆発的ヒットにつながっていく。これが第1段階だ。
この第1段階では、ホンダ「フィット」や日産「マーチ」といったコンパクトカーからの乗り換えが一定数見られたため、「軽自動車からの乗り換え」の割合は今ほど高くなかったのだ。
それが3年5年……と経つうちに、「N-BOXからN-BOX」「N-BOXからルークス」といった、軽スーパーハイトワゴン内での乗り換えや比較検討が激しくなる。これが第2段階といえる。
そして現在は、第3段階にある。同一車種内での乗り換えも多く、ある程度ユーザーのすみ分けが完了した段階だ。
どの車種も、ユーザー視点での期待値を十分に超える性能/装備を持つため、乗り慣れた車種(あるいはメーカー)で乗り換えたいという保守的な気持ちもあるかもしれない。
実際に「購入しようと考えたきっかけ」の回答を多い順に並べると、2022-2023年のN-BOX購入者では次のような結果になった。
2位:ショールーム・展示場でクルマを見て
3位:街を走っているクルマを見て
4位:前にも同じクルマに乗っていた
5位:メーカーの公式ホームページを見て
「前にも同じクルマに乗っていた」が、購入のきっかけに影響を及ぼしていることがわかる。
ダウンサイジングでも下がらぬ車両価格
これまで見てきたように、全体的な傾向として日本人の買うクルマは小さくなり、軽自動車がよく売れる状態が続いている。一方で新車価格に目を向けるとどうだろうか。
今回、取り上げたN-BOX、スペーシア、タント、ルークスの4車種の「値引き前車両本体+オプション価格」の時系列データを次に示す。
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