軽自動車の「勢力変化」10年データで浮き彫りに じわじわ進んだダウンサイジングの変遷の中身
4車種とも、2014~2015年の平均購入価格は180万円程度であったのに対し、2022~2023年では200万円オーバーであり、N-BOXは225万円、ルークスは239万円にもなっている。平均購入価格が年々、上昇していることは明らかで、「クルマの値段は上がり続けている」と言えよう。
たしかに、各種機能や安全装備は、充実の一途をたどっている。衝突時の安全性はもちろん、衝突を回避する予防安全技術も高まっており、運転者や同乗者だけでなく歩行者を守る点でもその意義は大きい。
ただし、日々クルマを使う中で進化やメリットを感じづらいのは、安全装備の宿命だ。そのため、漠然と「最近のクルマは高い」といったイメージを持たれている部分はあるだろう。また、原材料費や物流費の高騰などに伴う売価上昇もあった。
N-BOXであれば、2023年4月に2万円ほど値上げされているし、ルークスは2022年9月と2023年4月の2回、改良による売価変更を行った。ルークスは、オプションアイテムが標準化されるなどはありつつも、20万円超もの値上げとなったグレードもある。
価格上昇は、消費者としては厳しい。充実した装備よりも手頃な価格のクルマがほしい、というユーザーもいるだろう。そういった人々にとっては、乗れるクルマがどんどん限られてしまう。
そうなると中古車も検討候補に入るが、「37万人の購入者調査で見えた『中古車市場』の今」で示したとおり、中古車価格も上昇中だ。
ダウンサイジングの変遷=軽スーパーハイトワゴンの進化
今回は、ダウンサイジングが続く中で、具体的な変遷を時系列データで見てみた。約10年を振り返ることで、いかに軽スーパーハイトワゴンが、他のセグメントからユーザーを獲得したかがわかる。
「軽自動車とは思えない乗り心地」や「軽自動車初の安全装備」といった話や評価をよく耳にするが、最後に見た購入価格のトレンドデータを鑑みるに、お金をかけているから良いものになってしかるべきだ、という点も多いかもしれない。
しかし、2000年代まではセカンドカーとしての位置づけが強かった軽自動車が、充実した装備に広い室内空間を持つ軽スーパーハイトワゴンの登場によって、ファーストカーとして使える素質を手に入れたことは明らかだ。ダウンサイジングの変遷は、軽スーパーハイトワゴンの進化と同義だといえよう。
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