日経平均をめぐる「2つの激しい攻防戦」とは何か 「弱気派」と「強気派」、正しいのはどちらなのか
その結果が今期の純利益予想4%減予想というわけだが、もしこのまま第1四半期決算を出す7月後半から8月前半まで、今のような150円台後半の円安のままだったら、「今期第1弾の上方修正」が出ると思われる。
もちろん、第1四半期なので企業の多くは慎重な見方を変えないだろうと思われる。だが、急激に円安が進んだ前期も、当初予想は約3%増益だった。
それが第1、第2、第3四半期と進むにしたがってその都度大きく上方修正され、結局18%増まで上昇したのだ。しかも、今期予想は慎重だと言われているが、それでさえ、日経平均の予想EPS(1株利益)は5月9日の2181円をボトムに、23日には2369円に上がっている。
アナリストレポートを得た個別株は強い値動きに
前回の記事「5月の日本株は『セル・イン・メイ』ではなく買いだ」では、兜町筋はとりあえず決算発表後のアナリストレポートが出そろうのを待って、レポートによるマーケットの反応を確認してから攻めようとしている、という趣旨のことを書いた。
早速24日には、みずほ証券が投資判断を「中立」から「買い」に格上げ、目標株価も4200円から6000円に引き上げた資生堂が、日経平均が一時700円安となった中で大幅続伸している。日経平均のせめぎ合いに、しばらくはアナリストレポートによる個別株の動きが加わるだろう。
同日には日本の10年債利回りがついに1%に達し、前述の一時700円安にも若干の影響を与えたかもしれない。だが「長期金利1%ショック」は起きていない。これは2%に向かってゆるやかに上昇していく通過点、と考える投資家が多いためとみられる。逆に米欧は2%に向かって下降する体制入った。これから、市場はこの2つの流れを織り込みながらの展開となりそうだ。
今週(27~31日)の予定を見ると、その流れに影響を与えそうなアメリカのいくつかの重要指標発表がある。ベージュブック(築連銀経済報告)や1~3月期のGDP改定値などにも注目だが、やはり週末・月末の31日に発表される4月の個人消費支出(PCE)はしっかりチェックしたい。この日は日本や中国の指標発表も多い。そして、それを携えて6月相場に突入して行く。
(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)
資生堂の株価・業績、トヨタ自動車の株価・業績、ホンダの株価・業績 は「四季報オンライン」で
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