イラン大統領の事故死が中東情勢にもたらすもの 事故陰謀説、中東の武装勢力への支援、国内経済…

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イランの法学者統治制度では、最高指導者ハメネイ師は絶対権限を持っていて現行法の停止・廃止・失効ができる。

(地図・共同)

亡くなった外相の代行はアリー・バーゲリー・カーニー外務省政務担当次官が当面務めることになった。アリー・バーゲリー外相代行はイラン側の核条約交渉団に参加していた。

イランの核交渉団を率いたリーダーのサイード・ジャリリ最高安全保障委員会事務局長責任者を出し抜いて外相に抜擢された。外相は大統領令により任命されるため、モフベル第1副大統領の大統領就任後、アリー・バーゲリー外相を任命する大統領令が発令された。

指導体系に変わりなくイラン国内は安定

イランという国は大統領も外相も他の国々のような権限を持っておらず、ハメネイ師と革命防衛隊の指示通りにイラン革命の精神に従って出された命令を忠実に実行するだけだ。そのため、大統領と外相が死亡したからといって、ただちにイランという国家が揺らぐことはない。

亡くなった大統領と外相はともに対外強硬派で、ハメネイ師と意見が完全に一致していた。新大統領と外相も同じく強硬派でありハメネイ師と意見が一致しているので、混乱はないであろう。

体制が整うまでは核問題やパレスチナ和平問題といった外交の重要案件は対応が少し遅れる可能性がある。また新たに信頼関係を築き、交渉が再開されるまでには少し時間が必要となるだろう。

穏健派も国難にあたっては一致団結の方向で動くしかなく、体制安定のために故ライーシ大統領時代に排除され不満を抱いていたハサン・ロウハニ元大統領や、ラリジャニ・ファミリーなどがハメネイ師に召集されると思われる。

しかし強硬派路線に変更はないので、穏健派との協力体制は表面的なものとなり、メディア向けの演出にすぎないであろう。

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