日本は円高受け入れへ政策の大転換をすべき


貿易黒字が縮小ないし赤字になっても、経常収支は簡単には赤字に転落しない。投資による所得収支が年間12兆円ある。これを消す12兆円もの貿易赤字に陥るにはかなりの時間がある。

確かに、輸出企業が海外に生産を移転すれば、国内の雇用は厳しくなる。しかし、すでに輸出企業は雇用吸収力を失いつつある。03~07年に円安をテコに輸出は伸びたが、雇用は非正規労働にシフトし、賃金は下がり続けた。

野口氏は、「新興国の工業化によって、もはや先進国のやるべき仕事ではなくなったモノづくりを続けていることが問題。生産性の高いサービス業が育っていない」と産業構造の問題を指摘する。

輸出→円高→賃下げの悪循環から脱する構造転換が急がれる。

(シニアライター:大崎明子 =週刊東洋経済2011年8月13・20日合併特大号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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