北海道コンビニ首位守るセイコーマートの独自性

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商品調達は国内に限らない。特にワインの充実度はコンビニ随一。世界中のワイナリーから集めたワインが、400円台から並んでいる。

セイコーマートは日本のコンビニの先駆けである。日本酒ブランド「北の誉」を持つ(現在は合同酒精に売却)酒卸、丸ヨ西尾商店(現セイコーフレッシュフーズ)が、取引先の酒店を改装し1号店としてオープンしたのが1971年8月。

北海道の人々は、親しみを込めて「ちょっとセイコマまで行ってくる」と言う。スーパーや大手コンビニより、はるかに身近な存在となっている。

「東京無視」で独自成長 震災後は関東で高評価

「丸ヨ西尾は、明治、大正時代に北海道でいちばん成長したグループで、ホテルなどあらゆる事業を展開していた」(赤尾昭彦会長)。しかし、戦後の衰退で縮小。59年に入社した赤尾氏は、グループの酒造事業も経験。卸の先行きに危機感を感じ、コンビニ進出を決断した。

「立ち上げの頃は『北の誉であれば』という信用に助けられた」という赤尾会長は、「東京から情報を取らなかったことが、生き延びた理由」と話す。大手メーカー本位の日本の食品流通にのみ込まれないよう、元祖アメリカで全米コンビニエンスストア協会(NACS)に加盟。セブン−イレブンのライセンス元だった米サウスランド社(現セブン&アイ・ホールディングス子会社)にも人脈ができた。

さらに「米国の流通業は英仏など欧州資本が多い」(赤尾会長)とわかり、今度はオランダ本拠で卸主宰の世界的食品小売りボランタリーチェーン、SPAR(スパー)にも加盟。日本企業でありながら、欧米市場で共同仕入れをする現地企業の一つとして調達ルートを開拓。

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