LINEヤフーへの行政指導が悪手である3つの理由 再発防止に資本関係の見直しが必要なのか

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実は日本政府も歯切れが悪い。5月15日の官房長官会見で北海道新聞の記者がセキュリティ改善に資本関係見直しが必要な理由を質問した。林芳正官房長官は正面から回答せず、「セキュリティ・ガバナンスの見直しにはさまざまな方策があると理解しているが、いずれにしても委託先管理が適切に機能する形になることが重要であると認識している」と述べるにとどまった。

「まるで中国の所業」

韓国で反発が強まると、総務省は「行政指導の文書に、ネイバーに対してLINEヤフーの株式を売却しろとは書いていない」と説明するようになった。

だが、前述のように資本関係の見直しに触れているのは明白な事実であり、それを実施しようとすればネイバーが株式を売却するかソフトバンクが株式を買い増すしかない。

ゆえに、韓国の野党やメディアは「韓国企業が日本で投資をして育て上げたLINEを日本政府が奪おうとしている」と批判のトーンを強めているわけだ。

この点を、亜細亜大学の奥田教授は「外国企業の投資審査は、本来、その企業が新たに日本に進出を希望した際に行うべきもの。すでに投資をした外国企業に、あとから『株式を手放せ』『技術は残して日本から退場せよ』などと迫るのは中国がよくやるような話だ」。

韓国政府は「韓国企業に対する差別的な措置は認められない」という立場を示しており、また、今回の行政指導は日韓両国が2003年に発効させた「日韓投資協定」に抵触するのではないかという主張も韓国側から提起されている。

この協定は、日韓両政府とも、自国に投資をした相手国企業は自国企業と平等に扱うという「内国民待遇」を定めている。要するに差別はNGなのだ。

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