「京大VS吉田寮生」退去迫られた院生たちの絶望 老朽化を根拠にする大学、大学自治掲げる院生

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

大沼さんは博士課程に進学した4月以降も、引き続き裁判の事務局の役割を担っている。最後まで闘いながら、大学に問い続けていく考えだ。

社会の広い文脈で考える必要

「吉田寮の存続を目指す取り組みはもちろんですが、それだけでなく、この取り組みを通じて、自分たちの置かれた状況をもっと社会の広い文脈で考えていくことも大事だと思っています。

昨今授業料の値上げも取り沙汰されていますが、なぜ学ぶことのお金を個人が負担することが当たり前とされてしまっているのでしょうか。なぜ自治というものが敵視されるのでしょうか。そういう問題は今の社会のあり方とつながっていることを、この間の活動の中で学びました。ただ吉田寮が残ればよいという話ではないと今は思っています。

大学が真に公共的な場所であるためには、話し合いで物事を決めていく自治によって運営され、多様な人々が集い、既存の社会を批判的に思考できる場であることは、重要なはずです。大学執行部の人たちには今やっていることの意味をもっと考えてほしいです」

田中 圭太郎 ジャーナリスト・ライター

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

たなか けいたろう / Keitaro Tanaka

1973年生まれ。1997年、早稲田大学第一文学部東洋哲学専修卒。大分放送を経て2016年からフリーランスとして独立。雑誌やWebメディアで大学、教育、経済、パラスポーツ、大相撲など幅広いテーマで執筆。著書『パラリンピックと日本 知られざる60年史』(集英社)、『ルポ 大学崩壊』(筑摩書房)。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事