中国造船大手、カタールから「大型LNG船」18隻受注 総額8600億円超、韓国勢の寡占分野で追い上げ

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近年、二酸化炭素(CO2)の排出削減に向けた世界的なエネルギー・シフトが続く中、(2022年2月に始まった)ロシアのウクライナ侵攻に伴う世界のエネルギー貿易の再編が重なり、LNGの需要が拡大。造船業界はLNGタンカーの建造ブームに沸いている。

イギリスの海事情報会社クラークソンズ・リサーチのデータによれば、世界の造船会社が2023年に受注したLNGタンカーは合計66隻。2024年は1月から4月までに47隻を受注しており、過去10年の平均受注数である年間41隻を早くも上回った。

豊富な天然ガス資源を持つカタールは、LNGの輸出拡大を通じて中国との結びつきを深めている。写真はCSSCとカタールエナジーの契約調印式(CSSCのウェブサイトより)

大型LNGタンカーの建造は、これまでは韓国の造船会社の独壇場だった。サムスン重工業、HD現代重工業、ハンファオーシャン(旧大宇造船海洋)の3社で、世界の受注数の7割超を占める時代が長年続いていた。

だが、今回の建造ブームでは中国の造船会社が続々と参入。現時点で建造中または受注済みのLNGタンカーは合計89隻と、世界市場の4分の1を占めるまでになった。

LNG長期調達契約が追い風

カタールは天然ガスの埋蔵量が世界第3位、LNGの生産・輸出量でも世界有数の規模を持ち、さらなる輸出拡大を目指している。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

CSSCがカタールエナジーから過去最大の受注を獲得した背景には、中国とカタールが結んだLNGの長期調達契約があると見られている。中国の国有エネルギー大手の中国石油化工(シノペック)は2021年以降、カタールエナジーと3本の長期調達契約を締結しており、年間合計900万トンのLNGを中国に輸入することになっている。

さらに両社は2023年5月、カタールエナジーが開発中のノースフィールド・ガス田の東部拡張(NFE)プロジェクトに、シノペックが資本参加することにも合意した。

(財新記者:李蓉茜)
※原文の配信は4月30日

財新編集部

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Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

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