日本が後れをとる食材「養殖ナマズ」の可能性 高タンパクで低カロリー、味はフグに似てる?
名古屋市中区錦1丁目にある「ビストロ ル シュマン」はオープンして7年目。岐阜県産のブランド豚、ボーノポークをはじめ、地元農家から仕入れる採れたての野菜など、シェフこだわりの食材そのものの味わいを凝縮させた料理が自慢。またイノシシや鹿、熊などのジビエ料理も定評がある。
味はアンコウやフグに似ている
「ヒレナマズの身はアンコウやフグに似ていると思いました。煮たり、焼いたり、揚げたりとさまざまな料理に使うことができると思いますが、ヒレナマズのおいしさがダイレクトに伝わるのはこれです」と、オーナーシェフの寺沢裕二さんが作ってくれたのは、「ナマズのマリネ 旬野菜添え」。調味液にほんの少し醤油をくわえて日本人向けにアレンジした一品だ。
舌触りはしっとりとしているものの、ムチムチとした食感が心地よい。淡白で繊細な旨味をたっぷりの野菜が引き立てている。フレンチに限らず、昆布締めにしても美味しく食べられるのではないかと思った。林田さんも満足げな表情を浮かべて頷いていた。
他にもオリーブとアンチョビ、ケイパーをペースト状にしたソースで味わう「ナマズのムニエル 黒オリーブのタプナードソース」とたっぷりの野菜を使ったドレッシングでいただく「ナマズのカダイフ仕立て 柑橘のラヴィゴットソース」を試食させてもらったが、どれもおいしかった。ナマズと聞いてイメージする泥臭さは養殖ゆえに皆無だったことも付け加えておく。しかし、寺沢さんはあえて苦言を呈している。
「食材としてはまったく問題はないどころか、お客さんからの評判はとても良いです。しかし、ナマズという名称を見て注文する人がどれだけいるのかと思います」
岡山県のジャパンマリンポニックスが「桃太郎フィッシュ」として販売しているのもそのためだろう。それに倣って愛知県らしい名前をつけるなどブランディングが必要だ。捌くのに少しコツがいることも含めてまだクリアせねばならない課題はあるものの、飲食店やスーパーなどに並ぶのはそんなに遠い話ではないと思う。
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