江ノ電が駅ホーム上で展開「農業と小さな水族館」 魚の陸上養殖と野菜の水耕栽培を3月に始動

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江ノ島駅のホームに設置された研究施設(筆者撮影)
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江ノ島電鉄の江ノ島駅に、研究施設が設置された。場所は江ノ島駅・構内の藤沢行きホーム上で、「Aqua Garden Lab(アクアガーデンラボ)」と呼ばれる施設である。

これは、魚の陸上養殖と野菜の水耕栽培をかけ合わせる「アクアポニックス」と呼ばれる事業である。この事業の検証を行うために、2023年3月31日から研究施設の本稼働を開始した。

バランスよく生態系をつくる

江ノ電の露木健勝常務は、「アクアポニックスを身近に感じていただくため、多くのお客様が利用する江ノ島駅にアクアガーデンラボを設置しました」と話すが、そもそもアクアポニックスとは何だろうか。

江ノ電とアクアポニックス事業に関する連携協定を締結した株式会社アクポニの孫田賢佑氏によると、アクアポニックスは微生物の力を借りて、生態系の循環を疑似的につくること。水の循環を行うので給水以外は一切水の必要がない。養殖水をフィルターでろ過して、魚の排せつ物を微生物が食物の栄養に分解し、養分が豊富な水になる。この水が循環し続けることによって、野菜も魚も育つというシステムだという。

野菜の水耕栽培と魚の陸上養殖を同時に行い、無農薬、無化学肥料、無除草剤の循環型農業である。魚、微生物、野菜の三者の関係が、バランスよく生態系をつくることで、生産性と環境配慮の両立を可能にしているのだ。

現在、魚は淡水魚のティラピアを養殖し、野菜はレタスとクレソン、小松菜、ディルなどを育てており、今後も魚を増やしさまざまな野菜を栽培していく予定とのことだ。まさに、江ノ島駅の研究施設から、食べられる魚の養殖と野菜の農業を行っているのである。

次ページ3月には実際に食材として使用
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