息子を「世界一の富豪にする"実験"」の意外な効能 子供には「投資」ではなく「ビジネス」を教えよう
資金需要がないのだから、受け皿となる投資先が国内にあるはずがない。資金需要のない日本の金利は当然低い(資金需要が強ければ、日銀はとっくに利上げしている)。結果的に資金が海外に流出し、現在の円安を招いている。これは、前回の記事(止まらぬ円安の「1200兆円の借金よりヤバい」現実)にも書いたとおりである。
お金を投資するか、若い時間を投資するか
小説『きみのお金は誰のため』の中でも、投資の実態を理解しない銀行員(七海)に、先生役のボスが苦言を呈しているシーンがある。
投資を否定しているのではない。投資することは、資本分配を受け取るという意味では有効だ。しかし、それが本当に社会を成長させているのかは別問題だ。新NISA枠で投資されているお金のおよそ8割が海外に流れているという話もある。
「日本の個人資産は預金ばかりで、もっと投資に回すべきだ」という批判もあるが、こんなに多くの割合を外貨に投資する国も少ない。外貨への投資は言うまでもなく大きな為替リスクもある。
岸田政権の「資産所得倍増プラン」は、聞こえはいいが、国内の成長をあきらめて個人に外貨のリスクを取らせているという現状がある。
国内で資金を有効に活用するためには、誰かの役に立とうと考える意欲的な子どもたちを育てないといけない。それは、投資教育をすることではないはずだ。
そして、大人たちも「預金でお金を眠らせておくのはもったいない」という言葉に安易にうなずかないために、投資の実態を知っておいたほうがいいと思うのだ。
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