「大画面iPad」が9万円安く買えるようになる意味 キーワードは「ディスプレー」「AI」「操作性向上」
世界のタブレットPC市場を見ると、iPadはカテゴリーを牽引する代表的な製品で、40%のシェアを誇る。しかしながら直近の四半期決算(2024年第2四半期)では、新製品投入の遅れもあり、55億5900万ドルの売上高は前年同期比16.7%減という結果だった。
今回の新製品で、iPadラインナップ、ひいてはタブレットPC市場そのものへのテコ入れを図りたい狙いがアップルにはある。そのキーワードは、ディスプレー、AI、そして操作性の向上だった。
iPad Airに待望の大画面サイズ
iPadの代表的なモデルであるiPad Airは、これまでのM1チップがM2チップに刷新され、処理性能15%、グラフィックス性能25%、メモリーの帯域幅50%がそれぞれ向上し、AI処理を司るニューラルエンジンも40%高速化され、毎秒15兆8000億回の処理が可能となった。
そのiPad Airに、これまでのモデルを踏襲する11インチに加えて、画面を拡大した13インチモデルが登場した。これまで大画面モデルはiPad Proにしか用意されておらず、最高の性能と大画面がセットで、もちろん価格もその分高くなっていた。
今回iPad Airに大画面モデルを用意することで、iPad Proの13インチを選ぶ場合と比べて、9万円安い選択肢を提供できるようになった。Proほど先進的な性能は必要ないが、大画面のiPadがほしい、というニーズに応えるようになった。
※ただしiPad Airは128GBストレージ、iPad Proは256GBストレージの違いがある。同じ256GBストレージに合わせると、価格差は7万4000円に縮まる。
ニュースが多かったのは、最上位モデルとなるiPad Proだ。
13インチモデルはアップルの製品の中でこれまでで最も薄い5.1mmを実現し、前モデル6.4mmだったことから、1.3mmも薄くなった。重さも682gから579gと、100g以上軽量化された。持っただけで薄さ、軽さを体験できるほどの変化だ。
なお11インチの新モデルは、前のモデルに比べて、0.6mmの薄型化、22gの軽量化にとどまっている。
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