「誰とも繋がりたくない人」に伝えたい孤独の影響 孤独が蔓延すると社会はどう変わってしまうのか

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言わば野球で打席に立つようなものです。毎回、ボールを打ち返せるとは限らないように、初対面の人から毎回ポジティブな反応が返ってくるとも限りません。しかし、何度かは好意的な反応が返ってきます。

友人を作る最も簡単な方法は、自分が楽しいと思うこと、あるいは、自分が気にかけていることをほかの人と一緒にやることです。

気候変動防止のためのボランティアでもいいですし、サッカーでもいい。何度も何度も同じグループの人たちと会うことで、会話を始められる可能性が高くなることはわかっています。全員とは友人になれないけれど、何人かとは友情が生まれるかもしれません。

「1人ディズニー」「1人焼肉」は問題か

――日本は「おひとりさま天国」と言われていて、1人でご飯を食べたり、ディズニーランドに行ったり、旅行に行ったりすることは珍しくなく、これ自体が非常に大きな市場です。幸福学の観点からすると、これは懸念すべき状況なのでしょうか……。

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アメリカと日本の文化は異なるため、正直わかりません。

おそらく1人でディズニーランドに行く人たちは、日々ほかの人々とつながりを感じているかもしれません。1人でディズニーランドに行くけれども、普段は友達、あるいや姉妹とつながっていて、それがあるから大丈夫、ということかもしれない。

ただ、一方で誰ともつながらないことを美化する風潮はよくありません。

人間は社会的な動物として進化してきたからです。人間は何百万年も前から、人とつながり、安心・安全を確保することで生き残ってきたわけですから。進化の目標が遺伝子を伝えることだとしたら、つながっている人々のほうが生き残れる可能性が高くなります。

実際、ほとんどの人にとって1人でいることはストレスがかかります。私たちの研究では、人は1人でいるときほど熟睡ができないことがわかっています。繰り返しになりますが、人とつながらないことを美化する風潮は危険です。

倉沢 美左 東洋経済 記者

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くらさわ みさ / Misa Kurasawa

米ニューヨーク大学ジャーナリズム学部/経済学部卒。東洋経済新報社ニューヨーク支局を経て、日本経済新聞社米州総局(ニューヨーク)の記者としてハイテク企業を中心に取材。米国に11年滞在後、2006年に東洋経済新報社入社。放送、電力業界などを担当する傍ら、米国のハイテク企業や経営者の取材も趣味的に続けている。2015年4月から東洋経済オンライン編集部に所属、2018年10月から副編集長。 中南米(とりわけブラジル)が好きで、「南米特集」を夢見ているが自分が現役中は難しい気がしている。歌も好き。

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