これまで自ら参戦してきたモリゾウが、スーパー耐久主催者の思いを“私事”として捉え、新たな事業体系への転換を協議する。
では、新たに発足するスーパー耐久未来機構は、次世代のスーパー耐久をどう考えているのか。今回の会見で明らかになったのは以下の通りだ。
基本になるのは、これまでどおり「レース好き・クルマ好きが集まるスーパー耐久の魅力を大切に守り、発展させること」。そのうえで、さらに3つの柱を明確に立てた。
(3)人材育成や地方創生に資する活動として、子どもたちにクルマやモビリティの魅力を伝達する
以上によって、「明るく楽しい未来のモビリティ社会づくりに貢献する」とした。
気になるメーカー、特にトヨタの影響力
今回、自動車メーカーなど大手企業がスーパー耐久未来機構に拠出したことで「メーカー主導型のレースになるのか」という見方をされることがある。
また、トヨタとの関係が深い企業が名を連ねていることから、「トヨタの影響力が高まるのではないか」と見る向きも、当然あるだろう。
だが、あくまでもスーパー耐久は「参加者が主役」であり、参加者と主催者が未来に向けて「ともに考える場」であることに変わりはないことを、スーパー耐久未来機構は強調している。
ただし、「参加者型」といっても、一般ドライバーが気軽に参加できるレースではない。全国転戦にともなうチーム体制の構築にはそれ相応のコストがかかり、またドライバーの技量もここ数年で一気に上がった印象があるからだ。
6月から正式に新組織体制となる、スーパー耐久。次戦となる第2戦・富士SUPER TEC 24時間レース(5月24〜26日)では、スーパー耐久の次世代化に向けた新たな情報発信があるかもしれない。
モリゾウを理事長とし、“3つの柱”を明確にしたことにより、スーパー耐久が日本の自動車産業の未来に大きな影響を及ぼす可能性が、さらに高まった。これからも定点観測して、その変化をお伝えしていきたい。
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