インフレ・金利上昇、マンション購入は急ぐべき? 長期では、マンション所有は3つのリスクの塊

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

こうした長期的なリスクを考えると、マンションを急いで購入するどころか、「買わない」という選択も検討の俎上に載せるべきではないでしょうか。

賃貸なら資産価値が下落するリスクは無関係ですし、賃貸でもタワマン生活を満喫できます。また、ライフステージや家族構成に合わせて住み替えるという点で、賃貸のほうが合理的です。

いまは絶好の売り時?

不動産の「購入か賃貸か」という定番の議論で、購入派はよく「賃貸だと賃貸料を払うだけで、資産として残らない」と主張します。しかし、これは不動産価格が猛スピードで上がり続けた昭和の発想です。

賃貸であっても、ローン返済がない分を別のところに投資すれば、ちゃんと資産は残ります。平成以降、マンションではなくアメリカ株に投資していたほうが、はるかに資産額が増えました。

もちろん、今後マンションと株のどちらが優位かは不明です。ここでは、世界一の投資家であるウォーレン・バフェット(93歳)が自分の遺産をS&P500連動のETFで運用するよう家族に指示しているという事実を紹介しておきましょう。

とすれば逆に、居住目的であれ投資目的であれ、すでにマンションを所有している人にとっては、高値圏でまだ短期・長期のリスクが顕在化していない今は、絶好の売り時と言えるかもしれません。

繰り返しますが、多くの日本人にとってマンションは人生最大の買い物。不動産業者の営業攻勢や短期的な市場動向に惑わされず、リスクを直視して判断したいものです。

日沖 健 経営コンサルタント

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ひおき たけし / Takeshi Hioki

日沖コンサルティング事務所代表。1965年、愛知県生まれ。慶應義塾大学商学部卒業。日本石油(現・ENEOS)で社長室、財務部、シンガポール現地法人、IR室などに勤務し、2002年より現職。著書に『変革するマネジメント』(千倉書房)、『歴史でわかる!リーダーの器』(産業能率大学出版部)など多数。
Facebook:https://www.facebook.com/takeshi.hioki.10
公式サイト:https://www.hioki-takeshi.com/
 

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事