ダイハツ新社長「トヨタと組みながら戦っていく」 不正防止策受けた開発計画を年内にも策定

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――ダイハツがトヨタグループで担う東南アジアや南米などの新興国市場は今後の成長性も見込まれます。

ダイハツ単独ではなくて、トヨタの強み弱みも見ながら、技術を組み合わせながら戦っていく。特にEV(電気自動車)、プラグインハイブリッド(PHV)、ハイブリッド車(HV)など、電動化の要請は各国政府から非常に強いものがある。新興国は東南アジアだけではない。ダイハツの良品廉価なものづくりは新興国に対してど真ん中のストライクゾーンに剛速球を投げられるくらいのマッチングがある。

10年20年30年のスパンで考えると、グローバルで1億台の新車市場、20億~30億台の保有市場で、新興国の比重が高まっていくことは疑いようがない。そこで脱炭素に対応した車を出せるという点で、グループとしていい貢献ができると考えている。まずはお客様の安心安全を取り戻すのが第一歩だが、次の一手は新興国開拓でこの会社のポテンシャルを使わないことにはもったいない。

――具体的にどの市場を狙っていきますか。

世界地図を見たときに、スペースがあるのは南米とアフリカだ。1.2~1.5リッター前後の小型車は十分に可能性がある。いずれもヨーロッパと似た町のつくりになっており、狭い道も多い。良品廉価な車を供給できれば、市場はあると思っている。

日本の小型車市場は縮小していく

――日本市場で約4割を占める軽自動車もダイハツにとっては欠かせません。

日本の新車市場は500万台、うち軽自動車は185万台程度だ。ダイハツはこのうち65万台くらい。ただ、今の水準をキープし続けるのは相当大変だ。長期的には少子高齢化も進んでいくので小型車全体の市場も縮小していくのではないか。

――軽自動車は、一般の乗用車に比べて採算が厳しいとされます。

確かにそうだ。ただ、われわれの生産販売規模200万台のうち国内半分、海外半分だ。国内の新車はあまり儲からないが、補給部品やアクセサリーなどで採算をプラスに持っていっている。小型車が軸の海外は比較的いい収益だ。

その中で、国内市場が減るとますます厳しくなるので、その分を海外で稼げるようにしていくのが好ましいと思っている。伸びない市場にどんどんモデルを投入して突っ込んでいっても総量が増えず、繁盛貧乏になっていく。お客様のニーズを捉えて、いいタイミングで変えていくことが大事になる。

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