なぜ哲学は多くの人が挫折する学問なのか? 初心者でも哲学のいろはがわかる学び直し法

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入門書も、その哲学者の全体像を解説するタイプと、ある時期やある作品について集中的に解説するタイプがあります。たとえばウィトゲンシュタインという現代の哲学者には、一般に前期思想と後期思想があると言われています。前期や前期の著作『論理哲学論考』の解説がメインの入門書もあるでしょうし、後期『哲学探究』の解説がメインの入門書もあるでしょう。そのあたりも含めて、複数冊読んでみることをおすすめします。

それと同時に、哲学者本人の著作も手元に置くことが大切です。全部読まなくてもいいので、入門書で特におもしろいと感じた箇所を、あらためて本人の著作のほうでも確認してみるという感じで開いてみてください。哲学書は何度も読むものですから、最初から最後までの通読にこだわらず、拾い読みを何回もすればよいのです。

この2つのステップを行ったり来たりして楽しみながら学んでいけば、いつの間にか哲学についての知識は深まっています。

ただ、これで終わりません。まだまだ難しくて何を言っているのか全然わからない記述も多いでしょう。そこで、次のステップです。

哲学書:複数人で哲学書を読んでみる

これはいわゆる読書会です。自分だけで読んでもいいのですが、誰かと一緒に読むと、継続的に哲学書を読む機会を作れます。それに、良くも悪くも自分のペースで進まないので、ちょっと課題化・業務化するような感覚があります。

自分1人で読んでいたらそのまま読み流すようなところに誰かが妙に関心を持ったり、その反対もあります。読書会を通じて、あらためて哲学書の特定の箇所を読み直したり、別の解説書を読んでみるきっかけが生まれます。

読書会というと有志で集まった人たちによるグループのイメージですが、たとえば専門家による講義に参加してみるということも1つの手です。カルチャーセンター的なイメージですね。気に入った入門書の著者がどこかで講義をしているようでしたら、気楽に参加するのもありです。たいていの場合、講義1回分は、飲み会1回分より安いですから、そんなに思い切る必要もありません。

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