思考の固定化に悩む人へ「劇的に視野広げる」コツ 「リフレーミング」でネガティブをポジティブに
前段の通り、認識の枠組みはその人の育った環境や経験、価値観や文化によって形作られています。そのため、その枠組みを抜け出すことは簡単ではありませんが、「もしも」などの仮定を使い、直面している状況をこれまでとは違った別の枠組みで捉え直すとリフレーミングを促すことができます。
ここからは2つ目の質問方法である、「もしも」によるリフレーミングの例を見ていきましょう。
上司:「自信がなくて不安なのですね。それでは視点を変えて考えてみましょうか」
メンバー:「視点を変えるのですか?」
上司:「もしも、その商談が3日後だとしたらどのようなことを思いますか?」(リフレーミング)
メンバー:「3日後ですか? うーん、もしそんな状況だったら、もう覚悟を決めるしかないので何も考えず急いで準備をしますね。…ああ、話していて思ったのですが、自分はまだ覚悟をしていないのかもしれません」
上司:「それではもう一つやってみましょうか。もしも、何もかも上手くいっている絶好調な自分がいるとしたら、今のあなたにどのような声をかけてくれますか?」(リフレーミング)
メンバー:「今の自分とは別に、絶好調な自分がいるとしたら何と言ってくれるかですか。ええっと、『もう次のステップに進む時期だから心配するな』といってくれている気がします」
上司:「それを聞いてどのようなことを感じますか?」
メンバー:「どこかで自分をステップアップさせないといけないという思いが以前からあったので、この商談を機会として捉えて、覚悟を決めてみるのも良いように思いまた。ああ、なんだかすごく前向きな気持ちになった気がします」
この例では、「もしも」のリフレーミングを使った質問によって、メンバーの認識の枠組みを揺さぶり、いつもの思考パターンを抜け出して前向きな考えを促しています。大切なのは、相手の枠組みを揺さぶり、別の枠組みで直面する状況を捉え直してみることです。
「もしも」のリフレーミングを使った質問には様々な種類がありますので、自分なりの「もしも」を考えてみてください。
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リフレーミングが効果を発揮する場面とは
リフレーミングはビジネスパーソンが直面する様々な場面で活用できるため、1on1の中でメンバーから以下のような話題がでてきた場合には、積極的に捉え方を変える質問を使ってみましょう。
・前向きでない
仕事でのミス、挑戦の失敗、人間関係が上手くいっていないなど、ネガティブな気持ちになってしまうことは誰にでもありますが、捉え方を変えるリフレーミングによって、自己肯定感が高まり、前向きでポジティブな気持ちになります。