中国電池CATL、「超長寿命」の蓄電システムを開発 最大1万5000回の充放電可能、5年間は劣化なし

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蓄電システムには、EV(電気自動車)用の車載電池よりもはるかに長い数十年の耐用年数が求められる。それだけに、電池セルの長寿命化は蓄電システムの運用コスト低減に直結する。

再生可能エネルギーの導入が加速するなか、蓄電システムの需要は急拡大している。写真は山東省に建設された蓄電システムの実証実験施設。CATL製の電池を採用している(同社ウェブサイトより)

「リチウムイオン電池を用いた蓄電システムは、(昔からある)揚水発電式の蓄電システムに比べて(容量当たりの)初期投資が大きく、電池セルの寿命にも限りがある。そのため短期的には、電池式のコストが揚水式を下回るのは困難だ」

中国電力科学研究院の首席エンジニアを務める惠東氏は、2023年6月に開催された電池業界の国際フォーラムでそんな見方を示していた。

電池式の蓄電システムが抱えるもう1つの課題は、(電池セルの異常過熱による)発火リスクの高さだ。惠氏によれば、蓄電システムの火災事故は公に報じられただけで60件を超えるという。

イーロン・マスク氏も必要性強調

だが、電池式の蓄電システムはコンパクトで設置場所を選ばないという、揚水式にない大きな利点がある。再生可能エネルギーの導入が世界的に加速する中、そのニーズに対応できるのは電池式だけなのが現実だ。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

アメリカのテスラは、EVとともに蓄電システムの開発・生産も手がける。同社のイーロン・マスクCEO(最高経営責任者)は事あるごとに次のように語り、蓄電システムの重要性を訴えている。

「再生可能エネルギーの主力は太陽光と風力だが、太陽が(24時間)照らし続けることも、風が吹き続けることもない。人類社会全体が再生可能エネルギーに移行するためには、約200TWh(テラワット時)の蓄電システムが必要だ」

(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は4月9日

財新編集部

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Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

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