東京に次ぐ「スマホ王国」が滋賀という不思議 納得できる根拠は、確かにあった
そんな滋賀には、スマホ保有率で全国2位を裏付けるデータが数多くある。総務省統計局の全国消費実態調査(平成21年)を読み解くと、滋賀県は家電製品の1000世帯あたりの所有数量で、都道府県別ランキングの上位を取りまくっている。冷蔵庫、ルームエアコン、ビデオレコーダー、ドラム式洗濯機、パソコンは1位。薄型テレビは3位、食器洗い乾燥機は4位だ。
つまり、滋賀県は家電王国と言ってもいいのである。さらには、光回線の普及率でも日本一。ブロードバンドは同3位(総務省「情報通信データバンク」平成26年)など、ネット環境もしっかり整っている。
なぜそんなに電化製品が売れるのか
ここで疑問が湧いてきた。なぜ、滋賀の人はそんなに電化製品が好きなのだろうか。iPhoneを取り扱っている、ある専門店の店長がヒントを教えてくれた。
「私が答えちゃっていいのかはわからないですが、地域性ですね。人口が増えていて、特に若い人が目立っています。それで、iPhoneの販売台数も上がっているのかな」
若い人が増えている? 地元の人のこんな話も聞けた。
「家ばっか建ってますし、そこらじゅうに家できてますし、電車の乗客数も、ここ2〜3年ですごく増えた」
滋賀県の中心部・大津市は、京都まで電車でわずか9分。大阪も最短39分(JR新快速を利用)で行ける。滋賀北部に位置する米原などは、1時間ちょっとで名古屋へ。新幹線なら乗車時間は27分。実は十分な通勤圏となっている。
ここ数年、滋賀県内の主要な街の発展はすさまじく、マンションや住宅街、大型ショッピングモールなどは開発ラッシュのさなかにある。滋賀県は関西有数のベッドタウン。国勢調査によれば近畿2府4県のうち、ここ数年で人口が唯一増えているのが滋賀県だ。
それも30~40代の若い世代が、戸建て住宅を建てて移り住む例が多くなっているようだ。もともと家電製品好きな地域性とあいまって、都会で働く若い世代が流入してきていることが、スマホの世帯保有率を高めているという納得の根拠があったのである。
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