「脱炭素の次は水」。企業が迫られるリスク対応 先進企業から学ぶべき「流域での連携」戦略

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企業の目標設定に関してはいくつか指標がある。EDEKAが採用したのは、WWFが開発した「責任ある水利用管理/ウォーター・スチュワードシップ」というプログラムだ。

責任ある水利用管理のポイントは、自社拠点などでの水使用量や環境基準の順守といったマネジメントの枠を超え、バリューチェーンも含め企業にとって関わりのある流域での持続可能な水利用管理が求められる点にある。

とは言え、一足飛びに現場での取り組みを開始しようとすると、多くの障壁が想定される。企業にとって重要なサプライチェーンはどこなのか、トレーサビリティは確立できるのか、そこでの水リスクはどんな状況なのか、社内での共通理解を得られるのか、などについて見定める必要がある。 そこで責任ある水利用管理では、持続可能な水利用管理に向けて、5つの段階的なステップを提示している(下図)。

アパレル産業でも取り組みが始動

責任ある水利用管理は、食品産業だけの取り組みではない。

例えば、テキスタイル・アパレル産業では、綿花生産や染色工程などにおいて、淡水資源の過剰利用や汚染排出が問題視されてきた。

トルコ南西部を流れるブユック・メンデレス川流域では、染色工場や綿花農場が広がる中流から下流域までの地域を対象として、責任ある水利用管理の考え方に則った流域管理の取り組みが進められている。

綿花生産地で灌漑用水の削減に試験的に取り組んでいるほか、ステークホルダー間の協力により、下流の湖で水質や生物多様性の調査をしている。 現地の工場、農家、行政だけではなく、原料を調達している複数のヨーロッパのアパレル企業などが参画しているのが特徴だ。

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