4位は建設機械で世界2位のコマツ(100.8%)。取得率は2年連続で上昇。同社は法定とは別に、私傷病や出産、育児、介護などを目的に取得できる時間単位の有給休暇制度を導入している。
5位は車体のプレス部品メーカーのエイチワン(100.7%)。有給休暇の計画的な取得を促進しており、すべての有給休暇は半日単位で取得できる。そのほか、フレックスタイム制度の適用拡大など柔軟な働き方にも対応している。
以下、6位豊田自動織機(100.4%)、7位テイ・エス テック(100%)、8位オリエンタルランド(99.1%)、9位関西電力(98.2%)、10位幼児活動研究会(96.2%)と続く。
上位企業の変動は小さいが、3年先は大きく変わる可能性も
本来、企業が従業員に年次有給休暇を付与する目的は、心身のリフレッシュを図るためだが、労働基準法の改正により2019年4月から、「すべての企業において、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対して、年次有給休暇の日数のうち年5日については、使用者が時季を指定して取得させること」が義務づけられた。
こうした法改正や、コロナ禍の巣ごもりの中で低迷した有給休暇取得率の回復もあり、全体の平均取得率も69.0%(2022年度)と前回64.3%(2021年度)から向上している(それぞれ『CSR企業総覧(ランキング&集計編)』2024年版(2024年4月下旬以降に発売予定)、『CSR企業白書』2023年版より)。
今回のランキング上位10社のうち、前回から継続して上位10社にランクインしている企業は8社。DMG森精機、コマツ、テイ・エス テック、関西電力の4社は、過去5回連続で上位10社にランクインするなど、上位企業の変動は小さい。
ただし、足元の繰り越し分の有休消化が進めば、上位企業で目立つ平均値の100%超えはなくなる。3年先はランキング上位企業の顔ぶれも大きく変わっているかもしれない。
有給休暇取得率は昨今話題の人的資本経営や採用における重要な指標だ。編集部では今後も調査を通じて有給休暇取得率の動向を追い、ランキングで紹介したいと考えている。
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