日本の半導体の凋落招いた「日米協定」の無理難題 1986年の締結前は"日の丸半導体"が世界を席巻

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2009年になると、3位だったオランダのASMLがトップに立ち、同じくオランダのASMインターナショナルがベスト10に入ります。日本の製造装置メーカーは1社減ったものの、依然として4社がトップ10に入っています。2020年になると、AMATが首位をASMLから奪い返し、新たにテラダイン(アメリカ)、日立ハイテク(日本)がトップ10にランクインしています。

このように日本の半導体装置メーカーはデバイスメーカー(半導体メーカー、IDM)に比べてはるかに健闘しているといえます。ただ、詳しく見ていくと、トップ10の中での順位は少しずつ低下してきており、決して安心できる状況ではありません。

日本の装置メーカーには、新技術や新方式に対する果敢なチャレンジと、デファクトスタンダード(事実上の標準)化に繋がる開発力、さらにはしかるべきリソース(人材、資金)の投入が必要でしょう。

また韓国、台湾、中国は、「半導体デバイスの次は製造装置」と、すでにターゲットを製造装置の分野にしっかり絞り、猛追してくるのは必至です。それを振り切って現在のポジションを維持、さらには向上させていかなければなりません。

まだまだ大きな存在感を示す「材料メーカー」

ここでは製造装置メーカーについて見てきましたが、日本の材料メーカーは、それ以上に頑張っているといえます。

例えばシリコンウエハー、露光用マスク(レチクル)、成膜やエッチングなどに利用されている高純度ガス、あるいは薬液などで日本メーカーは世界的に大きな存在感を示しています。

ただし、外国メーカーは、デバイス分野から装置分野に進出を図っているのと同じように、「次は材料分野!」と狙っているのは当然のことですので、それに抗して優位性を保ち続けられるよう万全の備えが必要でしょう。

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