イトーヨーカ堂「上場検討」がなんとも心配な理由 顧客理解が欠如したままで、本当にうまくいく?
この点で最近の動きとして興味深いのは、「ミニコストコ」としても知られる、コストコ再販店の例だ。「コストコ」は会員制スーパーマーケットとして知られており、倉庫型の巨大な売り場に大量の商品が並べられているのが特徴。このコストコがミニサイズになり、出店する例が増えている。
例えば、東海地方では、スーパーマーケット「ピアゴ」にこの「コストコ再販店」が入居する例が見られる(ちなみにこうした店舗では、年会費は必要なく、その点でも人気を集めているという)。
コストコの商品は人気が高く、ネットで取り上げられることも多い。一方、その店舗数は多いとは言えず、欲しいけれど買いに行けない人が多いことも事実。「コンテンツ」として優れているのが、コストコだといえるわけだ。
コストコをヨーカドーに移植できないか?
そこで筆者は考えた。例えば、コストコをヨーカドーに移植するのはどうか? 商品を売るだけでなく、フロアを丸ごとコストコにしてしまうのだ。コストコがコンテンツとして優れているならば、ヨーカドーはプラットフォーマーとして、それを取り入れる。
そもそも東京都近辺にはコストコは少ないし、車を持っていない人も多い。コストコに興味はあるが、なかなか使うことができていない……という層は、決して少なくないと思うのだ。
「責任のない立場だから、そんな突拍子もないことが言えるんだ」と思う人もいるだろうが、「コンテンツが集まる場所」を目指して生まれ変わろうとしている場所も実際存在する。渋谷のTSUTAYAだ。
CDやDVDのレンタル、書籍の販売などから、「IPエンタメコンテンツが集まり、ファン同士がつながる空間」へと変化しようとしている。渋谷TSUTAYAの改革が成功するかはまだわからないが、ドン・キホーテやブックオフなど、様々な消費空間をウォッチしてきた筆者には、筋の悪くない改革に感じられる。
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