川勝知事で話題「細川ガラシャ」壮絶な辞世の句 辞任の心情を問われて引用し、注目が集まる

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戦のことはよくわからない。だけれども、細川家を守るためには、こんな汚い手に出る敵の手に落ちるわけにはいかない……玉はみなが避難するのを見届けると、残った小笠原少斎を呼び寄せて言った。

「あなたには、嫌な役回りをさせてしまうことになり、申し訳なく思っています」

少斎は言葉も出ず、ただ首を振るのみ。すでに屋敷中に火は放ってある。三成に自分の遺体を渡さないために、玉があらかじめ指示していたことだった。

細川ガラシャの辞世の句

『泣ける日本史 教科書に残らないけど心に残る歴史』(‎文響社)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

そして、最期に重要な任務が少斎には課せられていた。

「では、よろしく頼みますね」

少斎はうなずくと、泣きながら、玉の胸を槍で一突きにした。

すべては細川家にこれ以上の迷惑をかけないため……。キリシタンは自殺を禁じられているので、玉は少斎に自分の処刑を頼んでいたのだ。

「散りぬへき 時しりてこそ世の中の 花も花なれ 人も人なれ」

花は散る時を知ってこその花なのであり、人間もそうあらねばならない、今こそ散る時である――。

歌の作者は、細川ガラシャ。胸を突かれて意識が遠のくなか、ガラシャはあの日のきらびやかなパレードを思い出していたのかもしれない。

真山 知幸 著述家

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まやま ともゆき / Tomoyuki Mayama

1979年、兵庫県生まれ。2002年、同志社大学法学部法律学科卒業。上京後、業界誌出版社の編集長を経て、2020年独立。偉人や歴史、名言などをテーマに執筆活動を行う。『ざんねんな偉人伝』シリーズ、『偉人名言迷言事典』など著作40冊以上。名古屋外国語大学現代国際学特殊講義(現・グローバルキャリア講義)、宮崎大学公開講座などでの講師活動やメディア出演も行う。最新刊は 『偉人メシ伝』 『あの偉人は、人生の壁をどう乗り越えてきたのか』 『日本史の13人の怖いお母さん』『逃げまくった文豪たち 嫌なことがあったら逃げたらいいよ』(実務教育出版)。「東洋経済オンラインアワード2021」でニューウェーブ賞を受賞。
X: https://twitter.com/mayama3
公式ブログ: https://note.com/mayama3/
 

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