現場に入ったスタッフは2名。約5時間で部屋は空になり、女性も「救われました」と前を向いていた。しかし、半年かけて6万6000円が振り込まれたところで支払いが2カ月間ストップ。その後、支払いが再開するも、9万4000円が未納のまま連絡が途絶えた。
それから3カ月後の2022年10月に、女性からイーブイに連絡があった。前回の未納分を支払える状況ではないが、また部屋を片付けてほしいという。もちろん、その料金もすぐに支払うことができないので分割での契約となる。普通なら断ってもいい依頼だが、二見氏は受けることにした。
「たしか電話が来たと思うんですが、『今まで支払いができずに申し訳ありませんでした』ってめちゃくちゃ謝られていたんです。私も、『せめて未納分を先に一括で支払ってください』とは言いました。でも、どうしても今すぐには払えなかったみたいで。
それに、部屋の写真を送ってもらったら前よりはゴミの量も少なく、費用も10万円台で済みそうでした。
じつは料金が未納のまま連絡がつかなくなる人はそれなりにいるんですが、それでもまた依頼の連絡をしてくれた人って過去に2人しかいないんですよ」(二見氏)
加えて、女性の依頼を受けた理由は、二見氏の過去にもあった。
自分の非を認めて謝ってきた人のことは許したい
中学を卒業してすぐに働き始めた二見氏。10代のころは少年鑑別所に入った経験もあるなど、両親や友人たちに迷惑をかけてしまった時期があった。
「当時、私はいろんな人に助けられました。本当に謝らなきゃいけないことをして、そのうえで実際に謝る勇気って計り知れないものです。昔の経験からその苦しさは私もわかっているつもりです。だから、自分の非を認めて謝ってきた人に関しては、1回は許そうと思っているんです。
経営者としてはダメかもしれないですけど、最初から突っぱねるのは簡単じゃないですか。この女性みたいな人たちを救ってあげることができれば、この業界はもっと繁栄していくと考えているんです」(二見氏)
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